近年、葬儀の形態は様変わりしました。以前のような派手なものは影を潜め、家族や親族のみのもの、節約葬などが増えています。親族だけで行い、後日「お別れの会」を開くといった芸能人や有名人も増えました。特定の宗派を持たない人が増えたことも要因の一つです。
地味で簡素に執り行うのが、今の流行といえます。葬儀や告別式は地方や地域によって大きく異なります。各県で異なるのはもちろんのこと、市町村別でも異なります。中には町内でも違うといった所もあると聞きます。愛知県などはその傾向が色濃く表れていて、尾張地方、西三河地方、東三河地方でも当然風習が異なります。
愛知県民は派手付きと言われ、結婚式の豪華さは全国でも有名です。葬儀にもその特徴が表れていると言われます。主催者と参列者では、出身地や宗派が異なります。可能であれば事前に調べておいたほうが良いでしょう。
葬儀というとネガティブなイメージが付きまといます。人が亡くなった際に開く催しですので、どこか暗く、マイナスをカバーするイメージを抱く方もすくなくないでしょう。しかし、古くから世界のお葬式、告別式というものは人生の総決算という意味で、哀しむべきものとしてはとらえられていませんでした。
日本でも、本来はどちらかといえばお疲れ様会のような印象で、お金と時間をかけて行われる傾向がありました。旧知の知人や家族・親族の方が集まって、一人の方の死や人生に寄り添うことは、むしろ喜ぶべき貴重な時間のはずです。
愛知県などの葬儀をみればわかりますが、古い伝統的な儀式は地域住民がいちがんとなって盛り上げ、意味を作り上げます。火葬場までの行列から、棺桶の運び方、弔辞のという素晴らしいスピーチに至るまで文化が込められています。