日本で一番人口が多いとされている第一次ベビーブームの世代、いわゆる団塊の世代と呼ばれる方々が、70代、60代に差し掛かって来て、早い方などお迎えが来て、人生に幕を下ろしている方もちらほら見かける様になってきました。
高度経済成長を支え、日本をここまで豊かにしてくれた、戦後の復興を指させてくれた方々が、いよいよ自らの死と向き合い、考える時期になったのですから、時間の流れとは言え、とても灌漑深いものがあります。日本を支え、豊かにしてくれた働き者のこの世代は、自らの終わりも誰にも迷惑をかけず、旅立って行こうと言う考えの元に、きちんと自分の終焉を見据えて終活を考えている方がとても多い事に驚きます。
定年を迎え第二の人生を謳歌するだけでなく、子供や孫に迷惑を掛けず、尚且つ気づいて来た資産や財産などはきちんと当分し、遺族にいさかいが起きぬ様、きちんと考えて進めていらっしゃる方が沢山います。自らの葬儀なども自分の残した財産で行える様、あらかじめ予約をおこなったりも出来るそうです。
葬儀の形が多様化している現代では、終活という言葉をよく耳にするようになっています。以前は人が亡くなると、その家族が準備をしてお葬式を出すということが当然のように行われていましたが、時代の移り変わりとともに、自分の最後はどう終わりたいか、そして、どんな形で送ってもらいたいかなどの希望をあらかじめ記しておくエンディングノートという言葉も聞かれるようになりました。
自分が亡くなったあとの様々なことを考えておき、残された家族が困らないように準備しておくことを終活といいますが、その準備のほとんどは、どのような形の葬儀を行いたいかの希望を伝え、記しておくことという認識でいる人が多いようです。
しかし、自分の希望通りに人生を終わりたいのであれば、生きている日々のその生き方が最後につながっていくと考えるべきかもしれません。希望通りに終えて、希望通りの葬儀を行ってもらうために、今の毎日も考えるというところまで終活の意味は含まれているのかもしれません。